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πの歴史 [書評(数学)]

勢いってこわいです。同じネタの繰り返しに見えますけど、こちらの方が脳みその負担はでかいです。


πの歴史 (ちくま学芸文庫)

πの歴史 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: ペートル ベックマン
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2006/04
  • メディア: 文庫


この本は、タイトルはまさしく数学本であり、中身もまたそうであるのに、文明批判でもあるという点で特異な本です。特に筆者の古代ローマ批判とソビエト批判にはすさまじいものがあります。ローマはここまでひどくなかったと思うんですけどね。でも、やっぱり、オイラーに関しては大絶賛しているあたり、この人のすごさを思い知らされます。

しかし、πってこんなにも魅力的だったとは、驚きです。しかも、古代バビロニア人が22/7を知っていたのいうのだから、さらに驚きです。そして、現代の科学先進国日本が3を使っていたのだから、ますます驚きです。いったい日本はどうなってしまうんでしょうか?

ぼやきはさておき、要約します。

πの歴史は文明の夜明けとともにあった。古代メソポタミアや古代エジプトでは円周率がかなり正確に知られていた。古代ギリシャにおいて数学は頂点を極め、ユークリッドやアルキメデスが現れたが、ローマの時代にいったん衰退する。中世の暗黒時代を経てルネサンス時代に復活した数学は発展を続ける。様々な人の手によって開発されたπの計算方法は、二人の天才、ニュートンとオイラーによって完成される。その後は桁数の世界となり、コンピュータが活躍している。

採点は辛めかな?

客観性:4
論理性:4
独創性:4.5
文体:4
総合:4


減点要素は数学以外です。確かになるほどと思わせる記述はあるのですが、いかんせん過激すぎるし、事実誤認に近いものが見受けられます。

脳トレをやるぐらいなら、こういう本を読みましょう。過去の天才を知るだけでも刺激になりますし、自分と違う考えと対決するのは客観思考を促進します。

それではまた次回お会いしましょう。
タグ:数学
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